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2013年 06月 01日
![]() SADI講演会 「民家園の今」 講師:岸本章氏(多摩美術大学環境デザイン学科教授) 日時:2013年1月17日(金)19:00~20:30 会場:東京大学弥生講堂アネックス・セイホクギャラリー 今回の岸本先生の講演テーマは民家ではなく”民家園”.これまでにも北欧の木造民家などについては講演がありましたが,民家園そのものにフォーカスを当てた講演は例がなく,大変興味深く貴重な回となりました. 一般に民家園とは,野外博物館のうち,主に民家を移築して保存する博物館を指すそうです.日本では川崎市立日本民家園(1967)などが有名ですが,世界の民家園としては世界初の民家園としてスウェーデンのスカンセン野外博物館が1981年にオープン.その後はフィンランドのセウラサーリ(1913)をはじめとして多くの民家園が作られました. 講演の前段では,それら世界中の民家園に足を運ばれた知見から,それぞれの興味深い特徴や違いなどについてご説明頂きました. ![]() 岸本先生のお話で最も面白かったのは,本来の民家園とは,建物を単に移築保存するための博物館ではなく,環境そのものを保存する博物館なのだということ.我々が国内に見る民家園(もしくはたてもの園)の多くは,時代や様式の異なる建物が同じ敷地に隣り合うようにして建っていることがよくあります.日本ならではの小さな敷地の問題もあると思いますが,海外の事例では広大な土地全体をその時代背景にそっくり置き換えるという徹底ぶりに,そのスケールも含めて大変驚きました. 例えば建物はもちろんのこと,路面の舗装やサイン,地形,そしてそれが農家であればその目の前には畑を再現し,その畑には当時の穀物,放し飼いの鶏の品種(品種改良以前)に至るまで,徹底して当時を再現しています. また国内の事例と異なるのは,そこに当時の生活ぶりを再現する「ロールプレイヤー」と呼ばれるスタッフ達が”生活”しているということです.彼らは当時の衣装を着て,当時の言葉を話し,当時と同じ製法でパンをこね,その様子をそのまま来場者に見せています.きっとタイムスリップをするという体験に最も近い体験が,このような民家園ではできるに違いありません. このような非日常感の演出は並大抵の努力ではできません.単に保存された建物を眺めるだけではなく,そこにどのように生活していたか,使われていたかまで再現したときにはじめて,その建物の形や様式というものは理解されるのでしょう. その他にも世界の様々な民家園のあり方をご紹介頂きました.そのどれもが目から鱗が落ちるようなアイデアと発見に満ちていました.最後に岸本先生の語られた「民家園はけして過去のものではなく,未来につなぐもの.それは単なるノスタルジーの博物館ではない」という言葉が心に響きました. 示唆に富んだ,大変興味深いお話ありがとうございました. (文責:関本竜太) ![]()
by sadiinfo
| 2013-06-01 08:48
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