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2013年 06月 03日
SADI講演会 「北欧モダンハウス -建築家が愛した妻-」 講師:和田菜穂子氏(東北芸術工科大学准教授) 日時:2013年3月8日(金)19:00~20:30 会場:東京大学弥生講堂アネックス・セイホクギャラリー 今回の講演会では、慶応SFCで近代建築を専門として研究され、その後コペンハーゲンでミュージアムキュレーションについて学ばれ、現在はアート、デザイン、建築を横断して幅広く活躍されている、また『北欧モダンハウス』(学芸出版社)の著者でもいらっしゃる和田菜穂子先生をお迎えして、北欧モダニズムを代表する建築家の自邸について、その建築家を支えた”妻”の存在にフォーカスを当てた独自の視点からお話を伺いました。 北欧モダンハウスを代表する建築家—その中でもタイプの異なるユニークな5人の妻を中心に、北欧近代建築史を彩ったそれぞれの建築家のキャリアと時代背景を織り交ぜながら《建築家が愛した妻》と《彼らが夢見た住宅》についてお話頂きました。 □アスプルンドと妻 イングリット・アスプルンド:魔性の女—5度の結婚、男性に依存した人生 アスプルンドは後に代表作となる森の墓地のコンペ中に最初の妻と出会いますが、彼女が長男の死をきっかけに精神バランスを崩し、その後離婚します。後に恩師の妻であったイングリットを奪う形で再婚。この結婚を経てつくられた夏の家は、完璧主義者でもあるアスプルンドが初めて安らぎを得た家庭の暖かみを感じさせるもので、特に暖炉の有機的な形は、女性の子宮を思わせるとのお話でした。イングリットはアスプルンドの死後も再婚を繰り返し、計5度の結婚をしますが、魔性の女としての魅力と共に、9人の子供を持った当時の未亡人の社会的立場を考えさせるとの事でした。 □アアルトと妻 アイノ・アアルト:仕事も家庭も完璧主義者—癌に冒され短命の人生 母を愛したアアルトは母性を持つ女性を必要としたそうです。母公認のつきあいの末結婚したアイノとムンキニエミの自邸を設計、二人の仕事と家庭を両立する暮らしを支える場となりました。収納や機能的なキッチンのつくられ方などがアイノの家庭人としての完璧さを物語っているとの事。その後アイノは癌で若くして死去してしまいます。 エリッサ・アアルト:人生エンジョイ型の後妻—マザコン夫を支えた人生 打ちのめされたアアルトを支えたのが陽気でしっかり者のエリッサ。彼女が見つけた敷地で夏の家をつくり、社交的なエリッサと世界中の建築家との交流を深める場となったそうです。 □アルネ・コルスモと妻 グレタ・プリッツ・キッテルセン:夫より仕事のキャリアウーマンーデザイナーとしての華やかなキャリアの人生 コルスモと戦時中共にスウェーデンに逃げ、結婚。アメリカ留学後、交流のあったイームズにも影響を受けたといわれる、コルスモ自邸をつくります。グレタ専用のアトリエも備えていましたが、コルスモがトロンハイムに教授として赴任する際、デザイナーとして華々しく活躍していたグレタはオスロに残り、離婚。自立した女性として数々の作品を世に送り出しました。 □ヨーン・ウッツオンと妻 リス・ウッツォン:良妻賢母の鏡—夫を支え家族に尽くした人生 結婚後、様々な国で働き、帰国するが戦後で仕事がなくヘレベックの自邸をつくりますが、その後シドニーオペラハウスのコンペに勝ちオーストラリアに移住します。しかし様々な経緯から設計を外され、失意のうちにスペインマヨルカに移住、マヨルカ島の家を建てます。その後ハワイに移住するなど海を愛する暮らしを楽しみ、世界中を動きながらも家族を大切にする夫を、リスは専業主婦として明るく支えたそうです。 「偉大なものの影には偉大な女性がいる」とウッツォンの息子は語ったそうです。 建築家と妻との関係、それらがつくり出した空間の分析についてのお話を伺いましたが、様々なリサーチに基づいた和田先生の語り口が、北欧モダニズムの巨匠の日常的な側面を生き生きと想像させ、それぞれの建築家と妻との物語、彼らを取り巻く世界的な時代背景、建築史の流れをより自然に身近に実感することが出来る、とても楽しく充実した講演でした。 今後も新しい切り口の北欧の魅力を届けて下さる事を楽しみにしております、ご講演ありがとうございました。 (文責:池田雪絵)
by sadiinfo
| 2013-06-03 08:41
| 講演会
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