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2012年 05月 15日
SADI定例講演会「クリエイティブ・フィンランド~建築・都市・プロダクトデザイン」 講師:大久保 慈(めぐみ)氏(建築家) 日時:4月13日(金)18:30~20:30 会場:東京大学弥生講堂アネックス・講義室 今回の定例講演会は,フィンランド・ヘルシンキ工科大学(現アールト大学)に留学され,現地設計事務所での仕事期間も含めると13年間にも亘るフィンランド生活を終えて帰国された,建築家の大久保慈(めぐみ)さんをお迎えして,現地での生活の様子やお仕事など,生の情報を含んだ貴重なご講演を頂きました. 大久保さんのお話は,まずフィンランドの建築教育の話からはじまりました.まずヘルシンキ工科大学での教育は非常に実践的で,抽象的なコンセプトを語るような建築は大変手厳しい洗礼を受けるとのこと. また,ドアノブから都市スケールまでといった幅広い視点を持った建築家を育てるため,同大学では実際に工房でのプロダクトの原寸製作から,都市計画までの幅広いカリキュラムを備え,実際に学生自身が設計から建設まで関わるようなコンペやワークショップなどの機会も多く用意されているようです. ヘルシンキ工科大学に入学して初めてのオリエンテーションでつくった森の基地。(写真提供:ヘルシンキ工科大学) こうした課程は,極端ともいえる気候の中で育まれた北欧の合理精神を色濃く反映しているとも言えますし,またプロダクトから都市に至るまで異なるスケールを同じ土俵で考えるという視点は,アールトの時代から続くフィンランドの伝統的なヒューマンスケールの考え方が受け継がれているようにも感じました. また他にも変わったカリキュラムとしては,海外などに赴き,現地の都市問題等を取り上げたワークショップに取り組んだり,国内外での設計事務所での実地研修(インターン)という制度もあり,大久保さんもこの制度を利用して,エジプトの事務所で7週間の実習も経験されたとのことでした. ベナン共和国で行われた地域開発のワークショップの様子。(撮影:J-P Niinimaa) こうした機会は上記の教育方針とも絡んで,机上の空論ではなく,経験や体全体で建築を学んでゆく機会を学生に与えることになります.これは日本でも是非採り入れてもらいたい制度の一つだと強く感じました. 同大学を2009年に卒業された大久保さんは,その後R.H.Laakso,JKMM,K2S といった現地設計事務所での仕事も経験されたほか,ご自身も建築家として現地での仕事を請けるなど貴重な実務経験を積まれたようです.最後のK2S事務所では,コンペを獲り実施設計まで進んでいたプロジェクトがお蔵入りになってしまうなど,悔しい経験も味わったそうです. K2S事務所にて大久保氏が担当していたエスポー市のリハビリ病院。中庭を臨む(画像提供:K2S Architects) 大久保氏が設計を請負ったオフィスの内装(撮影:Markus Wikar) それぞれのプロジェクトで得た教訓,そしてその中で見聞きしたフィンランド建築界のことについては日本の建築雑誌等にも多く寄稿され,現地からの貴重な情報発信をされてこられました.今回の講演タイトルにもなっている著書「クリエイティブ・フィンランド」(学芸出版社)はその総決算とも言えるものかもしれません. 北欧建築・デザイン留学の聖地のひとつとも言えるヘルシンキには,毎年日本からも多くの学生がやってきます.筆者もかつてはその一人でしたが,大久保さんほどのバイタリティで,いわゆる短期留学ではなく正規留学をし,また現地で第一線の仕事まで経験して帰国した日本人の例はほとんど聞きません. 日本にご帰国されたばかりのようですが,きっと大久保さんのこと,程なく再び世界に向けて旅立ってゆくような気がしています.大久保さんの今後の益々のご活躍を期待しております. (文責:関本竜太)
by sadiinfo
| 2012-05-15 08:06
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