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2010年 06月 04日
SADI会員限定企画|『北欧の光/ルイスポールセン』特別講演 2010年5月21日(金) 六本木AXISギャラリー・ルイスポールセンショールーム 5/21日(金)六本木AXISギャラリー3階にあるルイスポールセンショールームにてSADI会員限定の特別講演が行われました。参加したのは当協会の理事と会員の24名。今回はタルジェッティ ポールセンジャパンのマーケティング部長の荒谷真司氏に北欧の光と照明デザインについてのお話をしていただきました。 講演がスタートしたのは夕方18:30。会場にあるルイス・ポールセンの照明器具に光が灯り、親密な空気が漂う中での講演となりました。 低い太陽 前半はデンマークの低い太陽高度が都市や建築のデザインにどのような影響を与えているかをお話していただきました。デンマークの画家ヴィルヘルム・ハンマースホイの絵画にあるような柔らかな光、建築に光を取り入れるトップライトのデザイン、低い光が当たることで存在感が浮き出るレンガの外壁、街並みやファサードの配色、それらが与える心理的な影響など、デンマーク人の光に対する感性が伝わってきます。 さらにこの光を生かした空間の事例として、ヨーン・ウッソンのバウス・ヴェアー教会を取り上げ、ウッソンが「空間の奥に光を溜めること」を意識して空間の設計を行っていたというお話はとても興味深いものでした。 空間の奥行と光 光の当て方次第で空間の見え方は全く異なります。 例えばジェームズ・タレルのフラットな光は見るものの距離感を失わせるアートして効果的ですが、日常生活にふさわしい光ではありません。素材やディテールにピントが合うこと、日常生活にふさわしい光とはどのようなものか。荒谷氏は「目の生理を大切にする光」という言葉を用い、快適な光は明るいところから暗いところまで連続したグラデーションがあると説明されていました。 光で空間を分節する デンマークでは空間に光源を配置する際、「光の島をつくる」という表現をするそうです。荒谷氏は「光で空間を分節する」というテーマでデンマークの生活空間における光のつくり方を具体的なライティング手法を用いて解説してくださいました。部屋の対角線上に配置する光の効果や高さを意識した照明の配置、高窓や地窓から入ってくる光の違い、雁行やL字の空間が生み出す光と影のグラデーションなど、日本の伝統的な空間構成に共通する部分も多く、大変興味深い内容でした。前半のお話の後に、ワインとサンドイッチでしばし歓談。 PHランプ 後半はルイス・ポールセンの代表的な照明器具「PHシリーズ」の話題が中心となりました。PHシリーズはデンマークのデザイナー、ポール・ヘニングセンによって開発された世界的に有名な照明器具です。 「照明は生理学の問題であり、好みや嗜好の問題ではない。デザインは単に美しいだけでなく、機能の徹底した追及と合理的な理由が必要である」 という彼の言葉から、時代が変わっても人の生活を灯す「光の質」に強いこだわりを持っていたことが伺えます。PHシリーズのあの独特な形状はグレアをなくすための研究、人やモノが最も美しく見える光や色の効果を徹底的に追及した結果生まれたものです。その開発過程のディテールに迫る話は、皆さん知っているようで知らなかったことも多かったようで、頷きながら聞き入っていました。 更にオフィスや工場用の照明として使われたPH、戦時中に空爆に備えるために開発されたPHなど、その時代の要請に合った照明デザインを「PHシステム」として昇華させたことも特筆に値します。「光の特性が人間の福利に結びつくように利用する」というポール・ヘニングセンの考え方はルイス・ポールセン社のライティングセオリーの基礎となっています。 今回は少人数のレクチャーということもあり、会場からはたくさんの質問が挙がりました。 その中の一つに最近話題の蛍光灯やLEDの光についての質問があり、「ルイス・ポールセンは先人の創ってきたものを守りながら、その時代にふさわしい光のあり方をこれからも追求していきたい」という荒谷氏の言葉が印象的でした。 今回は会員限定の特別講演だったこともあり、参加者とってはとても満足度の高い内容だったのではないかと思います。私も会員として今後のSADIの企画にも是非注目していきたいと思います。 (文:SADI会員 坪井当貴)
by sadiinfo
| 2010-06-04 20:43
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