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2015年 01月 22日
森百合子 さん(コピーライター/北欧BOOK主宰) 日時: 2015年1月21日(水)18:30~21:00 会場:工学院大学中層棟 8階 ファカルティクラブ ◇ 昨日のSADI定例講演会は、森百合子さんをお招きしてお話をお伺いしました。 森さんと言えば、最近では今回の講演テーマとなっている「北欧のおいしい話」シリーズをはじめ、北欧のコーヒー事情にも精通され、様々な切り口で書籍を出されておられます。 当協会は北欧建築・デザイン協会ですが、今回はあえて「建築」でも「デザイン」でもなく、「食」についてフォーカスを当てた企画にしたいと考え森さんに打診させて頂きました。 そもそも「北欧においしいものなどあるのか?」という命題に対して、「いやある」という森さん。スライドにはおいしそうな北欧料理が次々と映し出されてゆきます。黒パン、乳製品、ベリー、魚、肉、珍味etc…(おなかがぐー) 私も北欧留学の経験があったため、最初は「ハイハイ」という具合でしたが、森さんの食に対する飽くなき探究心でしょうか、そのうち見たことないような食材や料理が次々と映し出されはじめ、北欧の知られざる食文化の深みを知るにつれてどんどん引き込まれてゆきました。(そして、やっぱりおなかがぐー) 中には本当に懐かしい料理もありました。私が個人的に最も郷愁に駆られた北欧料理はカレリアンピーラッカと、トナカイのミンチとマッシュポテト。当時の学食の定番といえばいつもこれでした。 それから留学当時のことが、堰を切ったように思い出されてゆきました。そんな特別でもない、どうってことない日常。サーモンを焼いて食べた夕飯のことや、カフェでのスープランチ、日本からの友人を連れて行ったレストランのこと。 それはそれとして、北欧建築・デザインの文化や歴史、その背景を知るには特別な時間ではありましたが、私にとって”北欧という空間体験”はもっとほんわかした湯気のようなものだったような気がします。 つまり空間に宿る思い出(ノスタルジー)というのは、デザインそのものではなく、そこに盛られた料理であったり、コーヒーの香りであったり、ろうそくに照らされた語らいの食卓そのものであったりするのではないかということ。 我々は照明器具そのもののデザインや、建築のディテールについて議論を深めるのと同じくらい、その照明器具が照らすもの、その建築空間が包み込むものが何なのかを考える必要があります。もしかしたら北欧デザインの本質は、そこにこそ隠されているのではないかという気すらします。 森さんのお話も、単なるおいしいお料理や食材紹介に留まらず、実に様々な切り口で「北欧の食文化」を総括してくださいました。北欧のキッチン事情や、どうして北欧では電磁調理器が多いのか?といった事に対する森さんの考察もまた興味深いものでした。 最後に思ったのは「北欧に行きたい!」 そして、「今度こそおいしいものいっぱい食べるぞ!」 五感で味わう北欧。今回はチャレンジングなテーマでしたがとても楽しい、充実した会となりました。森さん、お忙しい中貴重なお話とスライドの数々どうもありがとうございました!次の書籍も楽しみにしています。 (SADI企画委員・関本竜太)
by sadiinfo
| 2015-01-22 19:08
| 講演レポート
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